ひと昔前はオリジナルで自作したテーマを使ってサイトを納品していましたが、ここ10年以上は、主にネット上で流通している有料(またはフリー)の既存テーマを使って納品するようになりました。
ここでは自作テーマのメリットやデメリットも比較した上で、現状を整理してみようと思います。
WordPressの「テーマ」とは?
WordPressで制作されたサイト全体のデザインや構成を設定するテンプレート集です。サイトの包括的なスタイル、カラースキーム、フォント、レイアウトなどを定義しています。
オリジナルテーマを作って良かった事は?
- 自由にデザインできる。自作する事で他にはないオリジナルなデザインや機能を持たせることができ、クライアント様の要求に応じたカスタマイズに対応できた。
- 必要な機能だけでシンプルに作れる。不要な機能を排除して必要な機能のみを組み込むことで、パフォーマンスの最適化も実現できた。
- プログラミングやデザインのスキル向上や、PHPやCSSなどの勉強になった。
オリジナルテーマを作ってデメリットとなった事は?
- かなりの時間と労力が掛かった。同様にに開発コスト(費用)も高くなった。
- WordPressやプラグインの更新が不安。おかげでWordPressのメジャーアップデートの度に、お客様サイトのレイアウトが崩れていない確認していました。
- 今後の主力となるブロックエディタへの対応がたいへん。クラシックエディタを使っているうちは気にならなかったが、これが一番キツいかも。
有料(またはフリー)の既存テーマを利用する事で解決できた事
- 時間と労力(=開発コスト)が大幅に節約できた。
- 完成度の高い既存テーマが増えてきた事により、機能がどんどん増えてレイアウトにおけるカスタマイズ対応もしやすくなった。
- ほとんどがSEO内部対策済みで、さほど労せずSEO対策ができた。
- WordPress更新の際の心配が最低限で済む。メジャーなテーマはたいてい定期的なアップデートが提供される、最新バージョンに対応してくれる。万一問題が出てもWordPressまたはテーマのバージョンを巻き戻す事によって、対応までの時間が稼げる。また技術サポートを提供しているテーマも多く、問題が発生した場合にたいへんありがたい。(感謝!)
昔は著作権の心配やセキュリティの兼ね合い、その他メンテナンスの事情などもあり、公的機関などのサイトにはオリジナルのテーマをよく使いましたが、今はWordPress公式サイトに掲載されている公式テーマであれば、ほぼこれらの心配はないと言えそうです。
何よりクライアント様のほとんどはテーマにこだわっている訳ではないので、サイトがリーズナブルに作れて、セキュリティや更新の不安もなく、キレイなレイアウトが作れる既存テーマを利用した方が当然喜ばれます。
あえて既存テーマの弱点をあげるとするば、テンプレートの仕様によっては再現できないレイアウトがあるという事。でも子テーマによるカスタマイズやアクションフックなどの活用などで、たいがいは何とかなりますね。